蛍の夜 華やかなブラスバンドをうしろに聞いて 人ごみを抜けると一歩一歩小さくなる管楽器 闇の川面に映るホタルを見に行った やっと見える足元に川原の小石を踏みしめると 「今年は減ったょ」 と恋人たち 「昔はもっと居たねぇ」 とおじいさん それでも私は目の前のホタルの乱舞に驚き こんなことがあったんだ これを追いかけてたことも これを見たのは何年ぶりだろう どこかに置き忘れていた大切な風景 こころの空白をそっと埋めてくれた夜